Chapter 4: Flight & Manoeuvre

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2005/3/13 ASK21空撮MOVIE 約3M


1.発航

プッシュバック : グライダーは自走できないので移動は人力が基本です、離陸位置である滑走路端まで人海戦術で移動させます。 プリフライトチェック : 搭乗したパイロットはチェックリストで機体の離陸前の確認をおこないます。
     

曳航索のセット : グライダーと曳航機を繋ぐ曳航索(ポリエステル製のロープ)を取り付けます。曳航索は機体に取り付けられたフックで脱着が可能です。 Take Off : 全ての準備が完了したら、パイロットは無線でその旨をピストに通報すると同時に、サムアップして翼端についた補助係に機体を水平にしてもらいます。グライダーは縦2輪配置ですが、機体が滑走を始めると、翼が揚力を発生するので自力で水平を保つ事が可能になります。

 


2.離陸と曳航

離陸滑走 : 曳航機に引かれグライダーも滑走を始めます。滑走中はラダーで左右のずれを修正し、操縦桿の左右の動きで機体を水平に保ちます。機体が浮いたら、頭を航空機の操縦方法に切り替え、高度を一定に保って、曳航機が離陸するのを待ちます。 曳航 : パイロットは、曳航機に真っ直ぐ追従するよう機体を操ります。日本ではレベル・トーという双方の機体がほぼ同一高度で曳航をおこなうのが一般ですが、上昇気流の強いオーストラリアなどでは、グライダーが下方に占位するロー・トーで追従します。
     

離脱 : 離脱高度(一般に2,000ft)に達したら、曳航機がバンクするので、それを合図にグライダーは曳航索を切り離し、右旋回して単独で滑空を開始します。 曳航機 : グライダーを切り離した曳航機は、接触を避けるため急降下します。

 


3.旋回

 旋回は、航空機を操縦する上で最も基本となる、「左右に曲がるため」の操作です。航空機は、操縦桿を左右何れかの曲がりたい方向に傾けて、翼の上面に発生している揚力を傾けることで旋回します。この際、機体を空中に支える力が減少するので、操縦桿を引き迎え角を増すことで揚力を増加させると同時に、垂直尾翼に取り付けられたラダーをペダルで操作することで、機体の姿勢を保ちます。

 

通常旋回 : normal turn

通常の旋回は30〜40°バンク
 

急旋回 : steep turn

サーマル中で上昇やの緊急回避で使う急旋回は60°

 


4.失速

 グライダーは、翼に発生する揚力で空中に支えられています。機体の気流に対する角度(迎え角)を増す、つまり機首を上げていくと揚力は徐々に増加するのですが(この時機体の速度は徐々に減少します)、ある角度を超えると翼の気流が剥がれ、急速に揚力を失います。通常の飛行をおこなっている限り、失速に陥ることはまずありませんが、非常に危険な状態ですので、意図的に機体を失速に入れて失速からの回復も練習します。具体的には、操縦桿を中立にして速度を回復させ、ゆっくりと引き起こし、通常の飛行姿勢に戻します。

1. 通常の飛行姿勢

2. 操縦桿をゆっくりひいて機首を上げていきます。この際機速は徐々に低下していきます。

3. 初めに激しい揺れ(バッフェット)が起こり、次いで機体は揚力を失い機首を下げて降下します。

4. パイロットは操縦桿を中立にし、速度がついたところでゆっくりと引き起こし、通常の飛行姿勢に戻します。

 失速:ストール系の練習課目としては、

○ノーマルストール : バフェッティングまでで姿勢を元に戻す。

ノーマルコンプリートストール : 完全に失速させ機首下げ状態になってから姿勢を回復させる。

○ランディングストール : 着陸形態、すなわちエアブレーキ開状態での失速を回復させる。具体的にはエアブレーキを閉じてから失速回復。

ターニング(コンプリート)ストール : 旋回中での失速を想定して、緩旋回(バンク角15°程度)で機体を失速させ、姿勢回復を図る。

があります。このうち、上記3科目については、基本的に同一操作ですが、最後のターニング・ストールについては、操縦桿をニュートラルよりややダウン気味で速度をつけた上で、旋回時と反対側のラダーを踏んで姿勢を元に戻す操作が必要となります。

 


5.ソアリング

 本来、動力を持たないグライダーは地球の引力に引かれ、徐々に降下していくだけなのですが、一方で地球の大気の対流を上手く利用して、長時間飛行を続けることも気象条件によっては可能です。これは、局地的に生じる上昇気流:サーマルを利用して、ちょうどトンビが弧を描いて飛んでいるのと同様に、機体がサーマル内に留まるよう旋回を続けることで高度を再獲得する「ソアリング」というテクニックです。サーマルは散在しているので、高度を獲得するために複数のグライダーが(時には野生の鳥までも!)、同一サーマルで旋回上昇を続ける、ガグルという光景を目にすることもあります。

 

同一周回でのASW-20

ガグル中下方に占位するASK-21 movie

 

 ソアリングに適した上昇気流を伴う雲

 

積雲(Cu) : 局地的に温められた空気が地表面から剥離上昇し、上空で水蒸気が凝結して雲になったもの。下方にサーマルの柱を引きずって流れているので、格好の高度獲得ポイントとなります。   クラウドストリート(積雲系): 上空の逆転層の存在、風速、風速の高度分布などの諸条件が揃うと、積雲が一列に並ぶ現象がおこります。このラインの下には気流が対流しているので、高度の低下なく真っ直ぐ飛び続ける事ができます。

海風前線: 地面と海面の温まりやすさ(比熱)の違いから、昼は海から陸へ風が吹きます。この時、寒冷前線と同じように、冷たい海の空気が暖かい陸の空気に進入してこれを押し上げ、カーテン状の雲を作ります。こうした局地的な前線も格好の上昇帯です。 クラウドストリート(ウェーブ系): クラウドストリートが形成可能な条件が揃い、気流に対してに直角に山脈が存在すると、写真のようなウェーブ性のクラウドストリートが発生します。この「空の背骨」も吸い上げを伴う「空のハイウェイ」となります。


6.降下

 一般的な練習用グライダーの滑空比は30:1程度です。これは機体が1m沈下する際に前方へ30m進めることを意味し、逆に言うと、翼が揚力を発生して機体を支えるので、30m前に進んでも1mしか沈下しないとも言えます。機首を下げ、進行角度を変えることで降下しようとすると、位置エネルギーが速度エネルギーに変換され速度が出すぎてしまいます。そこで、主翼に取り付けられた引き出し式の遮蔽板:エアブレーキを展開してやると、発生する揚力が減少するので、機体はほぼ一定速度を保ったまま、高度を下げることが可能となります。

ダイブブレーキ(エアブレーキの一種): 主翼上下面に出ている赤い板がダイブブレーキ、通常飛行中は閉じています。


7.フォワードスリップ

 指定点着陸のため急速に降下したい場合や、エアブレーキが故障した時のために、フォワードスリップという高度処理のためのテクニックがあります。これは通常同一方向に使う、エルロンとラダーを反対方向に操作し、機体を滑らせて揚力を低下させる方法です。

フォワードスリップするASK-13: 機体はエルロン操作により右翼が上がり左翼が下がっていますが、旋回ならば左側にまがるべきラダー(垂直尾翼の動翼)が右を向いている点に注意。この操作により急速に高度が低下します。


8.着陸

1. 最終進入に向けてのファイナル・ターン

2. 速度が抜けないよう注意しながら、ダイブ・ブレーキを開きます。

3. 横風があるときは、風上に機体を傾け進入ラインを保持するよう、カウンターラダーを当てます。

4. 進入角にずれが生じたら、ダイブ・ブレーキの出し入れで沈下速度を調節します。

 

最終進入 : MAAでは基本的に、離陸は滑走路、着陸は滑走路横のグラス・エリアでおこなっています。 高度5m : 着陸機が近づいたら、地上のクルーが接地点を目指して集まり始めます。理由は下↓。
 MOVIE メイン滑走路へのロング着陸(05/10/17)    

フレア : 地面が近づいたら、パイロットはゆっくり操縦桿を引き、極力高度を保つような感じで、スムーズに接地させます。 回収 : 着陸したグライダーは当然人力で回収です。離発着が続くので自分の搭乗が来るまで結構忙しく、いい汗がかけます(笑)。

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